2022.10.12 Wed
地方会で症例報告してきました。
秋晴れの気持ちよい天候の中、10月1日・2日の2日間、山形県山形市にて第12回日本プライマリ・ケア学会東北ブロック支部学術集会が開催されました。
今回はハイブリッド開催でしたので、久しぶりに現地参加できました!
現場で困った症例を症例報告しました。
私は、「ADA測定が診断に寄与した結核性腹膜炎の一例」という題で症例報告をさせていただきました。
嘔吐と食欲不振、体動困難で受診した80代女性で微熱もあり、CTで腹水貯留と腸管浮腫を認めました。
何らかの腹膜炎なのだろうけど原因は何なんだ??
大腸癌の既往はあるけど、いきなり癌性腹膜炎で再発するのかな??
などと思いながら診療していたところ、CTの読影レポートをみると「両側肺野にびまん性小粒状影を認める。結核も鑑別にあがります。」との記載が…。まさかと思いつつも、粟粒結核+結核性腹膜炎だったら一元的に説明できるな…とも思いドキドキしていたらT-SPOT陽性、喀痰抗酸菌塗抹も陽性となり…そのまさかが当たってしまいました。
胸部CT所見から粟粒結核をすぐに想起できなかったことから感染対策が遅れてしまったことや、結核性腹膜炎自体が頻度の少ない疾患でありその病態を勉強できたことなど、非常に学びの多い症例でした。
GPセンターからは他に,
北村俊晴先生「治打撲一方の安全性に関する研究」
渡部健先生「Advance care planningにおける介護支援専門員と医師の協働―セミナー講師として介護支援専門員と関わった経験からー」
の2演題の発表がありました.
地方会で得た学び
今回はたくさんの一般演題が集まり、東北各地の先生方のユニークな診療や取り組みを知ることができて大変勉強になりました。
diseaseについてだけでなく患者中心の医療や”Narrative based medicine”など、家庭医ならではの診療が症例報告されていたり、薬剤師や歯科医師からの演題発表があったりして、さすがプライマリ・ケア学会だな~と感じました。
東北の仲間たちの熱意に刺激を受け、また頑張っていこうと思う髙橋なのでした。
(来年は盛岡市で9月に開催予定です!)