2024.12.23 Mon
総合診療科を実習で選択して
秋田大学医学部5年 亀山遥
外病院実習の感想をはじめ、この5週間の感想を書きました。
協和病院
療養病棟だけでなく精神科の保護室や病院では珍しい体育館、介護老人保健施設サングレイスと介護付き有料老人ホームサンフェザンも見学しました。普段の大学病院の実習で見る機会がないのでとても新鮮でした。
病院と施設間の連携がしやすく法人全体として患者さんを診ていてすぐに手が届く一方で、患者さんが本当の意味で社会に戻れるのかという問題もあり、今後の高齢社会でどのような医療介護連携がなされていくべきかを考えるきっかけとなりました。
さくら内科・糖尿病クリニック
粟﨑先生の外来を見ながら様々なことを質問させていただきました。先生は地域連携や薬局との連携など、クリニック以外の活動も積極的にされていて、糖尿病のお話だけでなく保険料や、健康サポート薬局とは何かなど様々なことを直接聞けてとても勉強になりました。
また、運よく2か月に1回開催されているけあカフェに参加することができ、地域住民の方々、地域包括医療センターの方々と認知症予防の体操をして談笑しました。その中で乗り合いタクシーや移動式スーパーが現在進行中で運用化し始めていることを知り、このような地域交流の場がきっかけとなって暮らしがより良い方向に進み、素敵な取り組みだと思いました。
あきた往診クリニック
市原先生の往診に同行させていただきました。往診の見学は初めてで白衣を纏わず行い、問診、診察を丁寧に行っており患者さん方も先生に会えて嬉しそうでした。患者さんや利用者だけでなくご家族の方、施設の方々をはじめ、様々な方と連携しながら在宅医療を行うことが大切だと思いました。また、外科でいらっしゃった先生からお話を聴くことができ、自分の将来像についても考えることができました。
外旭川病院
ホスピス緩和ケア病棟を見ることができ、緩和ケア専門の先生に者さんとのかかわりで大切にしていることを聞けてとても感動しました。また、チーム医療の大切さも重要であるとわかりました。
短い時間のお話でしたが、生粋の緩和ケア医であるなと感じ、自分もこれからたくさん経験して最後まで患者さんに寄り添える先生のような温かい心をもったお医者さんになりたいと改めて思いました。
山王胃腸科
かかりつけ医でありながら病床をもつクリニックで、外来見学では患者さんの名前を呼んで呼び入れたり、往診では往診カバンを持たせていただいたりしながら実習しました。がんの末期やトランジット、レスパイト入院など入院の理由が様々であること、有床診療所ならではの機能を知ることができました。
往診見学の際には新規の初回訪問を2件拝見することができ、今後の介入についてご家族の方々やケアマネの方、看護師の方、薬剤師の方をはじめ本当に多くの方々で行っているのを目の当たりにして人生の尊さを感じました。
湖東病院
町に出て五城目町の地域の方々と交流でき、病院にいらっしゃる患者さんとしてではなく病院外でありのままに生活している人として交流することができました。
往診にも参加し、病院内の多職種連携だけでなく、地域交流の大切さを体感し、目の前にいる患者さんだけでなく患者さんを取り囲む人々や環境、地域までをも診ることで、多くの人を巻き込みながらよりよい医療、本人の求める生活像を提供できると思いました。
外病院実習を終えて
この5週間で様々な医療施設に行くことができ、よくイメージする地域のお医者さんや地域医療というものを間近で見ることができました。今までの実習では大学病院をはじめとする比較的規模の大きい病院しか見てこなかったので、見ていた世界が広がって、先生方から学ぶことは多く、さまざまな医師像、医療提供方法をみることができました。
このような貴重な機会をいただけて総合診療科を実習で選択して本当に良かったと思います。
外病院実習以外にも大学では患者さんの問診や、感染症ラウンドの参加、緩和ケアセンターの回診など本当にたくさん実習をさせていただけてあっという間の5週間でした。書いたカルテの丁寧な添削、カンファレンス発表でのたくさんのコメント、先生方のミニレクチャー、インフルエンザの皮下注射など非常勉強する機会をくださって嬉しかったです。まだまだここで実習したいですが、学べたことを忘れずに今後の実習に活かしながら励んでいきたいと思います。
最後になりますが、先生方、患者さん方、関わってくださったすべての方に今一度感謝申し上げます。