はじめての診療所実習,はじめての訪問診療同行,はじめての患者さんとの出会い【湯ったり あきた地域医療実習:1日目】

こんにちは.大学の渡部です.

3/17(金)~18(土)の2日間の日程で,「湯ったり あきた地域医療実習」が開催されました.
秋田県にまつわる地域枠学生(秋田大学・東北医科薬科大学・岩手医科大学)や秋田県出身の自治医科大学生を対象に開催し,今回は1年生から3年生まで10名の学生が参加しました.

1日目は県内6医療機関に分かれての実習と,夜は実習報告会,2日目は秋田大学のシミュレーション教育センターでのハンズオンセミナー(超音波検査・気管挿管)でした.

1日目の日中,私は実習先の1つであるにかほ市国民健康保険小出診療所を訪れ,所長の和田智子先生,看護師の佐々木さん,そしてこちらの診療所に派遣された秋田大学の2年生2人とお話をしてきました.

私が伺う前に皆さんで患者さんのお家に訪問診療に行ったとの事でした。学生はコロナ禍のため1年の早期体験実習がなく、今回初めての実習で患者さんとお話をする機会となったそうです。
今回の患者さんはALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っているかたで,気管切開,人工呼吸管理とのことで,その姿に衝撃を受けたと学生の2人は振り返っていました.その衝撃からか,患者さんにうまく質問ができなかったとのことで残念がっていました.ただ,初めての患者さんとの接触がこういった機会となって,すごく良い体験ができたのではないかと思います.

訪問診療ももちろんはじめての経験とのことでしたが、学生は「診察室で接する」と「その患者の家で接すること」の違いについてお話を受けていたり、また他の学生は事前に訪問診療に関する映画を見ていたとのことでした.実際の現場を見て,病院とはまた違う患者さんの姿を見られたということでした.

はじめての実習,はじめての訪問診療の見学,はじめての患者さんとのお話.
2人の学生は,今日が医師人生にとって忘れられない1日になったのではないか思います.

小出診療所に向かう道の風景.鳥海山はまだ雪化粧です.

実習後は,宿泊先の旅館に10名の実習生と総合診療医センタースタッフが集結し,実習報告会を行いました.協力いただいた医療機関の院長先生もゲストとしてお越しいただきました.
振り返りでは,各医療機関で指導医の先生方が工夫を凝らした実習を組んでくださっていたことがわかりました.多くの経験ができ,新たな発見や感銘を受けたことも多く,1人1人が自身の言葉でその思いを紡がれていました.


これまではコロナ禍のため,各大学の正規カリキュラムの実習も地域枠対象のアドバンスな実習も,なかなか開催することができませんでした.今回学生の話を聞き,やはり実際に現場で医療に触れるということがすごく重要なのだと改めて感じました。
近い将来,秋田というフィールドで医療を実践する学生たちが,学生時代から顔見知り以上の関係になり,これからもコミュニケーションをとっていけるように今後もさまざまなイベント・実習を頑張って企画していこうと,平スタッフながら心を新たにしました.

みんな素敵な笑顔です!