第9回グラム染色研修会を終えて

秋田大学医学部附属病院 総合診療部/感染制御部 の長谷川諒です。

9月3日(土)に開催されたグラム染色研修会についてご報告いたします。

今年度は昨年度に引き続き、現地での実技実習とオンライン講演を組み合わせたハイブリッド形式での研修となりました。

参加者は14名(内訳:医師1名、研修医5名、看護師1名、薬剤師4名、臨床検査技師3名)、特別講師1名、インストラクター10名で行いました。

全体の流れとしては、Zoomを用いた前橋赤十字病院の林俊誠(はやしとしまさ)先生の特別講演から始まり、参加者全員に顕微鏡の取り扱い方をレクチャーしてから、グラム染色標本の観察やグラム染色実習を行いました。

林先生には毎年特別講義をお願いしていますが、今年も随所に笑いと学ぶポイントがあり、30分があっという間に終わってしまいました。

臨床的に重要な細菌はたくさんありますが、その中でも重要性が高い菌をグラム染色ごとに分類し、わずか○種類まで(ここは当日参加された方の特権)に凝縮するテクニックは圧巻でした。講義の後半には実際に林先生が経験された症例を提示いただき、実臨床でグラム染色がどのように生かされているのかを実感できる機会だったと思います。

来年こそは「秋田」で特別講義を拝聴したいものです...。

顕微鏡実習では「喀痰」、「尿」、「血液」、「その他」の4つのブースを用意して、専属のインストラクターが解説を交えながら標本を観察しました。各ブースにハンドアウトがあり、臨床情報を頼りにグラム染色像をみて、重要なポイントはインストラクターから教えてもらえたり、疑問に思ったことはその場で解決出来たりと有意義な時間であったと思います。

グラム染色実習では動画を用いながら染色の手順を確認し、その後実際に自分たちで標本を染めて、それを実際に顕微鏡で見るという作業を行いました。ふだん染慣れていないと、なかなか緊張する作業ではありますが、参加者の皆さんのグラム染色標本を拝見し、きちんと染められていたと思いました。

今年は顕微鏡の使い方のレクチャーを顕微鏡実習の前に行いましたが、やはり使い慣れていない人が顕微鏡を扱うのは、難しいそうだと感じる場面が多かったです。今後も顕微鏡の使い方のレクチャーは行っていければと思います。

研修会後に参加いただいた方々に向けてグーグルフォームを利用したアンケート調査を行い、9月11日時点で10名から回答(回答率71%)を頂いており、全体の満足度は10段階評価で9.1ポイントと高評価を頂きました。

自由記載欄では「わかりやすかった」「大変参考になった」「機会があればまた参加したい」などポジティブなコメントをいただきました。

今回のアンケート結果を参考に、今後も勉強会の質が良くなるように取り組んでまいります。

 最後になりましたが、本研修会の開催にあたり、協議会会長の佐々木重喜先生をはじめ、共催してくださったGPセンターの植木教授、事務局スタッフの皆様、インストラクターの労を請け負っていただいた各施設の検査技師の皆様に深く感謝申し上げます。