令和6年度グラム染色研修会を終えて

秋田赤十字病院の畠山です。

令和6年10月26日にグラム染色研修会が前橋赤十字病院の林俊誠先生を特別講師としてお迎えし開催されました。

今回は参加者21名(内訳:研修医2名、看護師1名、薬剤師2名、臨床検査技師14名、学生2名)、インストラクター16名で実習を行い、コロナ禍以降最大人数での研修会となりました。

実習前には恒例の林先生によるグラム染色についての講義が行われました。グラム染色の基本的な観察方法について初心者でもわかりやすい内容で説明していただき、参加者の皆様も早く実践したくなったのではないかと思いました。
また、林先生のSTAPHスコアに関する論文についての解説もしていただきました。STAPHスコアとは、5項目のスコアをつけることで黄色ブドウ球菌かCNSかを推定する方法となっています。実際の検査にもすぐに活用可能であり、グラム染色の更なる可能性を感じました。

実習では、染色実習ブースと鏡検実習ブースに分かれて実習を行いました。染色実習では、実際にグラム染色をしてもらい、自分が染めた標本を顕微鏡で観察してもらいました。鏡検実習では、インストラクターが用意した尿・喀痰・血液・その他の検体標本を鏡検してもらい実際にグラム染色で染まった細菌を各自観察してもらいました。限られた時間の中での実習でしたが、参加者の方からは積極的にインストラクターへ質問があり、皆さんのグラム染色への熱意を感じることとなりました。

昨年度10周年という節目の年を迎えた本研修会ですが、今年度以降も秋田県の感染症診療に貢献できる人材育成を目指し、今後も継続してグラム染色の技術や楽しさを伝えていける研修会を目指して邁進してまいりたいと思います。

最後に、このような素晴らしい研修会に立ち会え、インストラクターとして参加できたことに心より感謝申し上げます。

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