令和5年度グラム染色研修会を終えて

秋田赤十字病院検査部の畠山です。
令和5年9月30日、秋田県感染対策協議会主催のグラム染色研修会が秋田大学医学部で開催されました。

 今年はグラム染色研修会が始まってから10年という記念の年であったため、第1部では毎年行っているグラム染色実習の研修会を行い、第2部では10周年記念として前橋赤十字病院 林俊誠先生による特別講演を企画しました。また今年はコロナ禍以降はじめて、林先生に秋田に来ていただいてのご講演を実現することができました。

 第1部は、参加者18名(内訳:研修医2名、薬剤師2名、臨床検査技師9名、学生5名)と特別講師1名、インストラクター13名でグラム染色と鏡検の実習を行いました。実習前には、毎年恒例の林先生によるグラム染色の講義があり、グラム染色初心者向けに細菌の見分け方をご教授いただきました。細菌を見分けるポイントがとてもわかりやすく、すぐに鏡検して細菌の大きさや形を比較してみたくなりました。

 実習では、顕微鏡操作のレクチャーをしたあとに、染色・顕微鏡実習へと移りました。染色、喀痰、尿、血液、その他のブースがあり、参加者の方々は3~4人のグループに分かれ、順番に染色・鏡検をしていただきました。毎年のことではありますが、参加者の方々の熱量がすごく、鏡検するごとにピントの合わせ方や細菌の見つけ方などが上達していくのが見ていてわかりました。

 そして、10周年企画である林先生による特別講演が第2部として17時から行われました。今回の特別講演は、「他所ではあまり聞けない、グラム染色のウラ話とは?」というテーマでグラム染色のよりディープな内容の講演をしていただきました。

 クイズ形式でいくつか症例(グラム染色像)を提示していただいたのですが、なかなか見ることのない細菌が多く、菌名を当てることが難しかったです。ですが、このように講演で菌体をみておくことが今後の検査に活かすことができると思い、とても貴重なご講演を聞くことができたと実感しております。 最後に記念すべき10周年の年にインストラクターとして参加できたこと、心より感謝申し上げます