コミュニティードクターとフィールドトリップ@五城目

「まちの中に元気で暮らせるもとがある」

湖東厚生病院の漆畑先生が企画する、学生向けフィールドトリップの二日目。

五城目の朝市は穏やかな小春日和に恵まれ、驚くほど賑やかでした。あちらこちらで井戸端会議をするお年寄りや、顔にクリームをベタベタ付けながらクレープを頬張る子供、どこを見ても笑顔だらけで、見ているだけで自然と幸せな気持ちになります。

自分もなんだか妙に人の輪に入りたくなって、いびつだけど立派な野菜や、山で採ってきた大きなキノコを衝動買いしたり、出店の惣菜パンを道端に座って食べたりしてから、朝市通りのはずれにある貸し棚「おうみや」に到着しました。

この日の学生の発表は、町歩きから自分の中の好き、ワクワク、嬉しいことのタネを探す、というテーマで行われました。参加した学生はフォトボイスの形式で、自分達が朝市で撮影した写真をそれぞれの視点で共有します。写真は何気ない場所や風景、食べ物など様々ですが、みんなしっかりとその背後にある物語を感じ取っています。発表を聞いた町の人からは「当たり前に感じていたが、そんな風に見えるのだと新鮮だった」という言葉が聞かれました。学生だけでなく住民にとっても、発見のある時間になったようです。

スーパーやコンビニでは、規格化された価値が整然と並んでいますが、朝市では、売り手の「想い」が人から人に手渡しされています。医学を学ぶのは、人の想いを守るための手段でしかありません。隣人や同胞に対する愛情のようなものが、医療の原点なのだと再確認させてもらう良い機会になりました。フィールドトリップの運営に携わってくれた漆畑先生のご家族と五城目の皆様、岐阜からはるばる来てくれた密山要用先生、学生ボランティア、GPセンターの小松さん、本当にどうもありがとうございました。