総合診療部を選択してよかった!

皆さんこんにちは、そしてはじめまして。秋田大学医学部6年の前川と申します。

今回、総合診療部を選択して「実のある実習になった!よかった!」と思うことができましたので、少し共有したいと思います。後輩たちはぜひ実習で選択してほしいですし、医学部以外の方には、馴染みの少ない医学生の実習について知っていただけたら嬉しいです。

秋田大学の実習は、すべての科を1週間ないし2週間で回るCC1と、自分で科を選択して4週間ないし5週間の間実習するCC2という2つのタームに分かれています。私は、CC2で総合診療部を選択し、この度4週間実習させていただきました。選択した理由は、自分の興味がある感染症治療に携われるからで、最初はあまり総合診療部そのものの実習については深く考えていませんでした。ですが、実際に経験して非常に実のある実習になった理由を、感染症診療と総合診療の2つの観点からご紹介します。

まず、感染症診療についてです。

秋田大学では、感染症を総合診療部が扱っています。実習では、ICTラウンドへの参加や県内、国内外の感染症動向についての把握をします。ICTラウンドとは、院内感染が発生した患者の把握をするチームカンファレンスです。重篤になりうるものとして、本来無菌であるはずの検体から菌が発生した場合や、薬剤耐性を持つ菌が発生した場合、この場で取り上げられることになります。血液から菌が見つかることや、あらゆる検体からMRSAというペニシリン系など古典的な抗菌薬に体制を持った菌が見つかることが多くあります。こういったものをICTラウンドで話し合い、どのような抗菌薬を使って菌に対抗して行くのか決定していきます。本当に国家試験レベルを超えた数の菌が見つかるので、非常に勉強になりました。また、県内や国内外の感染症動向に付いての把握では、秋田県感染症情報センターや厚労省、WHOなどを参考にして情報共有をしています。趣味である海外旅行と勉強内容が結びつき、非常に楽しく知識を深める事ができる機会でした。

次に、総合診療についてです。

大学病院では、主に外来診療と担当した患者についてのカンファレンス発表を行います。実は、外来診療実習をする機会が医学生はそう多くはありません。そんな中、総合診療部を回ると、週に1~2回は外来を経験することができます。また、どこかの病院からの紹介で、初めて大学病院に来る患者を担当するため、診療の第1歩から携われることが非常に魅力的でした。さらに、カンファレンスで患者について全く初見の先生方に説明し、共に診断や治療方針を決定することができるため、診療に参加している実感を得ることができます。加えて、秋田大学病院の総合診療部に来る方々は、診断がつきづらい、非常に悩ましい症状の方が多いので鑑別診断を列挙し、診断していく力が非常に蓄えられます。

最後に、総合診療部の実習では、手が空いている時間は自分の勉強に割くことができ、非常に有意義な時間を過ごすことができます。

さらに、医局には「まろん」というロボット型ペットもいるので、疲れているときに癒やしを得ることができます。

このように、総合診療部の実習では、医師として必要とされる能力を多く得られることができます。

後輩たちは、ぜひCC2で総合診療部を選択していただきたいと思います。きっと後悔しない、想像以上に満足する実習が待っていることでしょう。