「学生は無敵!」後藤徹先生インタビュー その2

後藤徹先生インタビュー その2

こんにちは!実習で総合診療科を回らせていただいたCC2の山田遥菜です。

 1月11日に後藤徹先生による講演会が開催され、その際に学生時代にお世話になっていたという総合診療科に先生が顔を出してくださいました。 後藤先生がどのような学生時代を送っていたのか、また先生の経験や考え方など、ご本人に直接伺っていきたいと思います! ~その2~ 

 ここまでの話を聞くと、後藤先生は医学に一直線というイメージを持たれるかもしれません。しかし実際はスキー部に所属したり、塾でバイトをしたり、友達と遊んだりと大学生らしいこともきちんとしていたそうです。そんな後藤先生が考える、学生のうちにやっておくべきこととは……

-学生のうちにやるべきことは何だと思いますか?
 もちろん勉強、バイト、部活、友達と遊ぶことも必要ですが、手術見学、研究など学問の深いところを見ることが大切だと思います。私は平日の夜に研究をしたり、暇ならオペを見に行ったり、日赤の救急当直についたりしていました。ただ成績が悪いのにそのようなことをしているのはまずいので、上位にいるようにはしていました。また、より良い環境、自分のロールモデルを見つけることでより上へ上へと行けます。自分の基準がそこになると、やるのが当たり前と自然と考えられるようになります。

これは今まさに学生である私にとって直近でやるべきことかもしれません。そして自分の中の基準を変える。そうすれば今とは違った受け止め方、考え方が出来るようになり、自分を高めることに繋がります。後藤先生は低学年の内から将来を見据え、目標を持って生活していたようです。

-私は漠然と外科になりたいと考えているくらいで、その先の細かいところまではまだやりたいことが見つかっていません。やはり早めに決めておいた方がいいのでしょうか?
 決まっている方がいいです。最終的には初期研修で決めれば良いことになっていますが、出来れば学生のうちに決めておくと良いですね。その方が準備できる時間が長くなります。

先生のおっしゃる通り、早く決めればそれだけその分野につぎ込む時間を作ることが出来ます。でもどうすればやりたいことは見つかるのでしょうか。

-目標の決め方のコツはありますか?
 徹底的に深掘りしていき、自分の目で見て肌で感じることが必要です。そうすれば好きなこと嫌いなことが分かってくると思います。

後藤先生は実際に学生時代に研究や手術見学を重ね、深く学んだことで自分が好きなことを明確に出来たのですね。

-私はなにかを始めるときリスクを考えて、一歩踏み出せないことがあります。後藤先生はどのように考えていますか?
 もちろんリスクを考えるのも大事です。でも学生は無敵です。医者になれば立場もあるし、簡単に引き返せません。学生のうちは守るものや失うものが無いので楽しかったらやってみる、興味があったらやってみるでいいと思います。それにやりたいといったらやらせてもらえるのも良い点です。

自分の出来る範囲を決めずに手を出してみることが大切なのですね。

-現在の目標、最終的な目標を教えてください。
 Machine Perfusion1)です。大腸癌の肝転移では5年生存率は50%程度ですが、肝移植が出来るようになれば100%に上げることが出来る。最終的には肝不全で亡くなる人をゼロにしたいと考えています。

1)Machine Perfusion とは摘出した臓器を人工心肺に接続して酸素と栄養を循環させ、体内と同じ環境を再現する保存法である。通常の臓器保存法では移植できない死後ドナーなどの臓器の移植を可能にする。(ドナー不足問題を解決する移植医療の最新技術 Ex Vivo Machine Perfusion(MP)(後藤徹) | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院 (igaku-shoin.co.jp)より)

後藤先生、お忙しい中お時間をつくってくださりありがとうございました!

とても刺激が多く、「自分もなにかやらなければ!」という気持ちが湧いてきました。 

実習は残り半年ほどですが、今回後藤先生から学んだことを生かして自分がやりたいことを見つけられるように頑張っていきたいと思います。

心に刺さった一言 「 学 生 は 無 敵

学生という立場は弱いようで実は強みでもあるということに気付かされました。

「学生は無敵!」後藤徹先生インタビューその1

後藤徹 著:医師として王道で勝つためのタクティクス「医学生、研修医が本気になったらどこまでできるか」