personal history

秋田大学附属病院 総合診療部 助教 嵯峨亜希子先生


秋田大学医学部を卒業してから、3年間研修医をした後、循環器内科の大学院生として研究と臨床に携わりました。大学院修了後、結婚して上京、育児に専念していた時期を挟み、首都圏の民間の総合病院で一般内科医として勤務しました。都会にある病院で、外来・入院いずれも受け持てたことは、とても良い経験でした。

いずれは郷里で働きたいと思っており、帰郷しました。縁あって、個人医院の一人医師という立場で半年以上の間、外来業務をしたのですが、自分の技量不足を痛感し、総合診療やプライマリケアを学び直すため、大学病院の門をたたきました。

総合診療医に向いている人とはどのような人でしょう?

人の話を聞くことを苦にせず、情報を共有することに長けている人でしょうか。患者さんの話をよく聞き、医師と看護師が情報を共有したり、確認したりすることは、総合診療医として重要なことです。また、広く地域の人々と接する機会を持ち、一般的な感覚に触れることで社会を知ることも総合診療医に必要なことです。

このような経験を積み重ねることで、患者さんと少し会話を交わすだけでも様子のおかしいことに気が付けるようになっていきますし、目の前の患者家族の置かれている状況をより早く捉えられるようになります。総合診療医としてのスキルは、生活全般からもアップデートできるのが特徴だと思っています。

総合診療医としての展望を教えてください

総合診療的な能力を持つ医師を増やすのが総合診療医センターの使命です。それが秋田県の医療をより良くすると信じています。若い皆さんに私が今感じている生きがい、やりがいを伝えていきたいと思います。

ワークライフバランスは重要なテーマの一つです。総合診療的な視野を持つ医師が増えれば、大病院への一極集中が緩和され、医療関係者のワークライフバランスがとりやすくなり、そのことは牽いてはサステナブルで満足度の高い医療体制に繋がっていくと考えます。若い医師には、そのあたりのサポートもしていければと思っています。