2025.02.20 Thu
医学生の総合診療科での1日
秋田大学医学部医学科5年 山本柚真
こんにちは、秋田大学医学部医学科5年の山本柚真と申します。わたしは4週間、総合診療科での実習をさせていただきました。
今、ちょうど秋田大医学部を志望する方は共通テストが終わり、二次試験に向けて勉強中ではないでしょうか。受験勉強は大変だと思いますが、秋田大学ではこんなに楽しく学べる環境があるのだと知って、残りの受験を乗り切ってもらう糧になれば、と私の総合診療科実習の1日をご紹介します。
<午前>

本道キャンパスに登校します。今日もあいにくの雪です。私は神奈川県出身なので、はじめは雪で翻弄されていましたが、もうかなり慣れました。秋田県外出身の方も秋田県民は良い方ばかりで、雪や寒さへの対処法を快く教えてくれますのでご心配なく!
ここが総合診療科の医局です。

日中、ここで勉強をしたり、発表のために準備をしたりします。ときどき先生方と一緒に昼食を食べたりもします。
緑もあって、明るい雰囲気の医局です。まず先生方とここで今日の患者さんについて勉強します。
秋田大学病院総合診療部では、ほかの診療科で診断がつかない症状や多くの併存疾患がある方など様々な背景の方が受診されるので、改めて問診前に、患者さんの訴えに似た症状を呈する疾患や併存疾患について復習します。
朝の先生方とのカンファレンスのあとは、外来にて、承諾をいただいた患者さんに対して問診をさせていただきます。主に初めて総合診療科にかかる初診の患者さんから症状についてお聞きしていきます。患者さんがお困りの症状は、他覚的に見てわかるものから、検査では何も異常がでないけれどお困りのものまで様々です。それらをなるべく漏れがないように問診し、先生に報告します。 その後、先生と患者さんの問診を見学します。先生の問診では、時に私が思ってもみなかったことを深くお聞きして、診断へつなげていきます。また話を聞くスキルもやはり学生とは比べ物になりません。自分が問診をしたからこそ、改めて自分の改善点が浮き彫りになり、さらなる学びにつながります。
<午後>
午前中のカルテを作成、編集します。患者さんの訴えを他の科の先生や医療従事者の方が読んでもわかるように、記載し、考え得る鑑別疾患を挙げます。まず見落とせば命に関わる緊急性の高い疾患が否定できるか、次に頻度が多い疾患など、症状に合わせて考え、先生に添削していただきます。
ここで添削していただいたカルテをもとに週1回、総合診療科の先生方の前で発表をします。症状やどのような診断、治療になったか、他の科に紹介された場合はその科での診断も含め、流れがわかるようにプレゼンします。なるべく簡潔に、しかし漏れがないように発表することは難しく、将来に向けてより磨いていきたいスキルのひとつです。
このほか、院内感染対策や抗菌薬適正使用のためのカンファレンスに出席したり、外旭川病院、協和病院、秋田往診クリニックなど大学病院以外の医療施設の見学させていただいたり、多角的に総合診療という分野を学ぶことができます。
<夕方>
すこし、発表の準備に疲れたな…と思ったら、医局にいつもいるペットロボットのまろんで癒されます。私たちの足元をいつも歩き回っていて、話しかけると反応してくれます。総合診療部は医局の雰囲気をとても大切にしており、わたしも明るい環境のなかで楽しく実習することができました。

このように秋田大学医学部総合診療科では、一生懸命勉強しつつ、時には和んで、メリハリのある実習ができます。私自身、この4週間で特に問診を行うことやカルテを書くことに関して、大きく成長できたと思いますし、私なら自分が大きな病気になったときにどのような環境で過ごしたいか、など自分の人生についても考えるきっかけになりました。
最後に受験生の皆さん、あともう少しです!入学してからも勉強することは山のようにありますが、患者さんに温かい言葉をかけていただいたり、先生方に丁寧に指導していただいたり、休日には趣味を楽しんだり、秋田大学では充実した医学科生活を送ることができます。きっとみなさんも様々な経験が積めることと思います。
この記事がみなさんの参考になれば嬉しいです。