「日本プライマリ・ケア連合学会」の第14回東北ブロック支部学術集会へ参加して

    秋田大学医学部医学科 1年 飯川 明翔

日本プライマリ・ケア連合学会に参加し、ワークショップ、多職種セッション、学生部会セッションが印象的だった。

ワークショップ1 「総合診療」への期待と不安

このワークショップでは、実際に総合診療医として活躍されている6人の先生方からお話を伺えた。話を聞く前は、総合診療医は専門医を終えたあとに、セカンドキャリアとして始めた方が多い印象を持っていたし、実際にそういった方からお話を聞く機会の方が多かったため、今回のこのワークショップはとても貴重な機会だった。福田先生の、総合診療医は最も密接に患者との関りを持てる仕事であるという言葉が印象に残った。患者の病状のみならず、社会的背景を踏まえて診断する重要性を改めて感じ取った。

多職種セッション

多職種セッションでは、公立置賜総合病院の高橋先生、やまと地域医療グループの大向さん、東北大学5年生の笹川さん、秋田大学3年生の奥川さんと同じグループで、自身の地域の医療の多職種間での連携状況について話しあった。話を進めていく中でチームワーク、ネットワーク、フットワークの重要性について教えていただいた。職種間で友達に連絡をするかのように何かあったときに気軽に連絡できるような人間関係が理想だと高橋先生が語っていた。高橋先生に頼みたいことがあったときに、他の人は医師はえらいとか、忙しそうという先入観からか直接連絡をもらうことは少なく、看護師にまず話して、それから看護師間で話し合って、医師に話すということをしている間に手遅れになっているといった現場の声を聞かせていただいた。常日頃からそういった気を遣われる側の医師が逆に気を遣って、みんなに笑顔で話しかけていくこともまた大切なことだと感じた。

学生部会セッション

学生部会セッションでは、3人の発表を聞いたが中でも印象に残ったのは多職種セッションでも同じになった笹川さんの発表だった。医師である前に人に寄り添える人でありたい、という理念のもとflappaixという団体をたちあげて、人々につながりを見出そうしていた。その姿に尊敬と憧れを持った。問題に対して教科書に書いていない解決策を探しながら当事者意識をもって向き合っている聖さんをみて、自分もこうありたいと感じた。勉強、部活、バイトだけでなくもっとフットワーク軽くいろいろなボランティアにも参加して幅の広い大学生を目指したい。

まとめ

自分は、正直にいうと総合診療医になるビジョンは持っていなかったが友達に誘われて学会に参加した。だが、先生方のお話を聞いている中で総合診療の魅力も見え、学会で出会った先生や先輩方と話していくなかで、もともと目指していた整形外科面の専門性に加えて総合的な診療もできる方が高齢化社会においてフィットできる存在になれるという考えを持つことが出来た。総合診療について現場の声を聞くことができたし、素敵な先生方、先輩方と出会えたので学会に参加してよかったと今でも感じる。