「あきた×総診塾」に参加してくれた学生の声が届きました!

あきた×総診塾に参加して

東北医科薬科大学2 年 平賀帆一

私はあきた×総診塾に参加させていただき、学んだことが沢山ありました。
参加させていただいた理由としては、私は総合診療を将来の診療科として考えておりますが、実際の医療現場での実状をイメージできなかったので、少しでも総合診療に対する解像度を上げること
が出来たらいいなと思い参加させていただきました。


今回は3 セッションに分かれており、第1セッションは松本奈津美先生による講演でし
た。
松本先生は岡山県でも働かれていて、秋田県と同じような高齢者の方が多い地域でした。
松本先生の話の中で特に印象に残ったのは患者の意思決定についてでした。

患者さんは在宅を希望しているが医療従事者からすると入院を勧めるという状況は難しいと思いました。
近年、患者さんのQOL を上げること。すなわち病気を診るのではなく、患者を診ることが
言われてきているように感じます。難しい課題であるなと改めて感じました。


第2 セッションでは渡部健先生によるサカナキネーターの演習でした。
サカナキネーターとはさかなクンが約4000 種の魚の中から出題者が考えている1 種の魚を数回の質問で当てるというものでした。
この思考は医療現場で診断をするときの思考と似ているものがありました。
さかなクンは文字数や色、分布などで大きく絞っていました。
また、文字数以外にも有名かどうか、観賞用か食用かなどでも絞っていました。
さかなクンの魚の整理の仕方は分からないですが、医療でもまず主訴を聞いてある程度絞り、その後消去法的に診断に近づいていくのであろうととても理解しやすい内容でした。

最後は北村俊晴先生によるシナメデュケーションでした。
これはCinema(映画・映像)とMedical(医療)、Education(教育)を組み合わせて造語であり、映画やドラマを観てあるテーマについて自由に議論するというものでした。
視聴したのはイタリアの医療ドラマ「DOC明日へのカルテ」。患者は娘にモルヒネを与えて服役中の受刑者であり、腹痛を訴えて病院へとやってきました。
医師の多くは留置所を抜け出すために腹痛を訴えたのかと考えていました。患者は検出されるはずのないモルヒネが検出されていました。実際患者は人から隠れてある鎮痛剤を飲んでおり含まれる成分が遺伝子多型でモルヒネに変換されるというものでした。患者が服役中だからといって患者の本当の思いを拾いあげることが出来ないのは避けなければならないと思います。そういった患者さんを診ることもあるかもしれないので、向き合い方について考える良い機会となりました。

今回のセミナーを通して総合診療について難しいところに気づき、総合診療に対する像が
鮮明になりました。
まだ氷山の一角を知っただけだと思いますので、臨床知識を増やし、またこのような機会があれば参加させていただきたいです。ありがとうございました。