2025.08.28 Thu
第16回日本プライマリケア連合学会学術大会に参加して
自治医科大学医学部4年 石川佳希
人生で初めて参加する学会でした。本企画に参加させていただくまでは、学会というと、各分野の専門家たちが気難しそうな顔をして話し合いをしていたり、若手の発表に対して、「素人質問で恐縮ですが…」から始まる玄人質問が飛び交うような風景を想像していました。
しかし、今回参加させていただいたプライマリケア学会は、教科書で名前を拝見したことのあるような重鎮の先生方もいらっしゃった一方で、若手医師や学生も非常に多く参加しており、フレッシュかつエネルギッシュな学会で、良い意味で期待を裏切られました。
学会参加初日、まず参加させていただいたのが、若手や学会初参加者向けに開かれた「あなたは何しに学会へ?初参加,学生,研修医のあなたを歓迎します!」というタイトルのセッションでした。学生同士でグループを作り、ワークショップを行いながら、親睦を深め合うことのできる企画が行われました。本企画で、滋賀医科大や三重大、和歌山県立医大といった普段中々接点の無い西日本の大学に所属する、総合診療に興味を持つ同世代と交流することが出来たのは非常に貴重な経験であったなと思います。本筋とは逸れますが、同じグループの中に私と同じソフトテニス部に所属する方がおり、「全医体でまた会おう」
という少年スポ根漫画のような熱い約束を交わせたこともとても印象的でした。東医体初戦敗退せぬよう頑張ろうと思います。(追記:私もこの方も東医体で上位まで勝ち進み、全医体の出場権を勝ち取ることが出来ました。9月に会場である福島で再び会えることになりそうです。)
その後は2日間を通して、シンポジウムや教育講演、学生セッション、ポスター発表を多く見学させていただきました。その中で特に印象に残っているものをいくつか取り上げさせていただこうと思います。
1つ目は教育講演6「そこ・そこの救急医療:あたりまえのことをあたりまえに」です。総合病院国保旭中央病院の坂本壮先生による講演でしたが、5月に弊学のBSLで救急センターを回っていたこともあり、とても興味深く拝聴させていただきました。また、昨年履修した総合診断(臨床推論)で扱った内容も多く出てきて、さらに知識を深堀りすることが出来たほか、診断をつけるだけでなく、診断をつける前にするべきことを症候ごとにより実践的な症例を用いて解説して下さったので、あっという間の90分でした。また、熱中症の重症度分類に関して、Ⅲ度までと習っていましたが、昨年度のガイドライン改定によっ
てⅣ度まであるなどの最新の知見を得ることもできました。
2 つ目はセイコーマート代表取締役社長の丸谷智保氏による、特別企画2「都市と郡部、「そこ・そこ」にふさわしいサービスとは~セイコーマートの実践から学ぶ~」です。会場が何度も笑いに包まれるほど、丸谷氏のお話自体が面白かったのもありますが、北海道という広大な土地の中で、どのように利益を確保し、効率よく物流を回すのかであったり、雇用を生み出す産業として地域とどう共生していくのかなど、非常に興味深いお話を伺うことが出来ました。一見医療と関係ないようにも思えますが、ある意味、病院も地域の雇用を生み出す一大産業としての側面を持っていますし、へき地の中でどのように利益
を上げていくのかということなど、セイコーマートと似たような特性を持っていることに気付き、今後、地域或いはへき地の中で医師として活躍する上で大切なTipsを学べたように思います。医療とは関係のない分野の方からお話を伺うことで、医療に活かせるTipsを得るというのは個人では中々に難しいことだと思うので、これも学会に参加する意義の一つなのかなと感じました。
最後は学生セッションや学生のポスター発表です。同世代の医学生が多様な分野で様々な観点からプライマリケアや総合診療に切り込んで発表を行っており、非常に刺激になりました。今後の自分の学修に活かしていけたらと思います。
また、一日目の夜に秋田大学のチームの皆さんとの懇親会に参加させていただきました。ほとんどの先生方が夏期研修や地域医療実習で何回かお会いしたことのある方でしたが、改めて、秋田の医療の現状と展望、共通の知り合いの裏話などを教えて頂き、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。
最後に、このような機会を設けて下さった秋田大学付属病院総合診療医センターの方々に感謝を述べて締めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
