Cureusの投稿に関する質問シリーズ①: Cureusはハゲタカジャーナルか?

こんにちは、総合診療部の引地です。

大寒波がようやく落ち着いてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

こちらは、先日、学位審査が無事に終わり、博士課程卒業見込みの春を迎えようとしています。

子育て世代が働きつつ、スキルアップしていくには、勇気も体力もお金も(!)かかりますが、博士課程や専門医取得というわかりやすい目標を立てて精進することは、医師人生に彩りを添える節目となると、実感しています。

さて、Cureusの投稿に関して質問を受けることがよくあるため、以下、Q&Aシリーズとして順次公開していきます。

あくまで一個人の体験に基づく情報に過ぎませんが、温かい飲み物でも片手にお楽しみください。

本日は、こちらのコンテンツです。

Q1)Cureusは、ハゲタカジャーナルですか?

以下、私なりの見解でお答えします。

「ハゲタカジャーナルには気をつけろよ。」

そろそろ論文執筆でもやってみようかな、という段階に来た医師は、先輩からこのような忠告を受けることがあると思います。

ハゲタカジャーナルとは何か。

明確な定義はありませんが、学術目的よりも商業目的が優先の、自称医学雑誌(英文誌が多い)のことを指していると、私は理解しています。

一言で言うと、ボッタクリですね(①論文掲載は簡単だが、②高額の掲載料を要求される)。

私のメールボックスにも、週に1-2通、英語のメールが飛び込んできます。

“Request for Manuscript submission”

初めてこのような論文掲載勧誘のメールをもらった時には、怖くなって、教授に相談しました。

教授は笑って一言、「これで先生も、一介の研究者として認められたってことだね」。

いやはや、ハゲタカジャーナルのカモにされているだけですが・・。

掲載論文に、連絡先としてメールアドレスを記載すると、目を付けられるようですね。

きちんとした学術雑誌からは、もちろん、このような依頼は来ません。

肝心の、Cureusはハゲタカジャーナルか?という質問に対する答えとしては、

①論文掲載は比較的簡単だが査読はしっかりは行われる(査読者による差はありそうですが)

②掲載料は基本無料(英文校正が必要と判断された場合は、数万円要求されるが、決して高額ではない)

と、どちらも満たしていないので、ハゲタカジャーナルのカテゴリーには当てはまらないと考えます。

教授からも、Cureus評の一言。

「Cureusは、業界大手のSpringer Natureとも組んでおり、継続性が見込めるってところは重要。その上で無料の仕組みを提供しているところがいいね!」

次回は、

Q2)Cureusの査読者(reviewer)として、どのような人物を推薦したら良いですか?

投稿するに当たり必要なプロセスである、査読者の選定について取り上げます。

お楽しみに!