五十嵐謙人先生が秋田大学を訪問されました

12月12日(木),北海道にある勤医協中央病院の五十嵐謙人先生(腎臓内科医,感染症専門医)が秋田大学を訪問されました.

五十嵐先生は2024年7月のタイ研修(大阪大学主催)で一緒に研修した同期になります(そして一緒にお腹を壊した戦友でもあります).五十嵐先生は腹膜透析の専門家でもあり,末期腎不全の高齢者の在宅療養などに力を入れていらっしゃいます.この度,腹膜透析のご講演をされるために秋田を訪れた際に秋田大学にもお立ち寄りいただきました.

五十嵐先生がいらした日はちょうど腹膜透析を受けている患者さんのコンサルトがあり,CT画像を見てもらったり,患者さんの診察のポイントを教えてもらったりと,自分にとっても大変勉強になる時間でした.毎週木曜日に開催しているICTカンファレンスにもご参加いただき,Actinotignum schaaliiによる菌血症のエントリーとして尿路系を考慮するなど,高度な議論をすることができました.

また,中央検査部もご見学いただき,質量分析装置やPCRラボをご覧いただきました.五十嵐先生の病院では菌名同定に苦労されており,当院の検査環境に大変感銘を受けられていました.

最後に感染症とは離れますが,腹膜透析は血行動態が保たれやすいこと,在宅でできることから,高齢患者さんにおいて良い適応であるとご助言を頂きました.秋田では腹膜透析の認知度は低いかもしれませんが,超高齢化社会における末期腎不全患者の管理の選択肢の一つになるかもしれません.老老介護現場における腹膜透析についても,複数の訪問看護ステーションを活用し,毎日腹膜透析ができる環境構築をするなど,総合診療にも親和性が高いと感じました.