禁煙のすすめ

治療に必要があれば,自宅に酸素濃縮器を設置して在宅酸素療法を行うことも可能ですが,障害を受けた呼吸器を元の状態に戻すことは難しく,長期的な悪化を最小限にとどめることが治療の目標になります.原因の大部分は喫煙で,喫煙を続ける限り障害は進行するため,禁煙が大切です.

禁煙の上で,薬物療法や呼吸リハビリテーションを行うことになります.しかし,禁煙は難しいものです.タバコをやめることが難しいのは,ニコチン依存と心理的依存の二つの要素がよると考えられています.ニコチン依存とは,タバコに含まれるニコチンによる身体的依存状態のことであり,心理的依存とは,それまでタバコを吸っていた状況になるとタバコがほしくなる状態のことです.それを乗り越えるため、禁煙外来があります.身体的なニコチン依存に対してはニコチンパッチなどの薬物治療も利用して,心理的依存に対しては日常生活の工夫などのアドバイスを行いながら,禁煙をサポートしています.